「先生、どんな魔法使ったん?」膝にほとんど触れずに痛みが引いた理由と、訪問施術の“臨床の面白さ”

院長鈴木の思考

こんにちは!寝屋川市、門真市、守口市を中心に、四條畷市、大東市、枚方市(南部)で訪問施術を行っている、実現治療院 寝屋川店の鈴木です。

今回は、いつもの記事より少しだけ専門的なお話をしてみようと思います。

なぜなら、話したいからです。笑

それだけです。

題して、

「ディープ鈴木の時間」です。笑

普段、患者さんの身体を見ながら、私が頭の中でどんなことを考えているのか。

先日施術した、階段の上り下りで左膝に痛みが出る82歳女性のケースをもとにお話しします。

少しマニアックというか深い話になりますが、ご興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。笑

それではお話ししていきます。

目次

「膝の痛み」の原因が、膝にあるとは限らない

今回の患者さんのお悩みは、左膝の痛みでした。

階段を上り下りすると痛みがあり、特に、階段を降りるときに痛みが強くなるとのこと。

普通に考えると、

「膝が痛いんだから、膝を施術するんでしょ?」

と思いますよね。

もちろん、膝そのものの状態を確認することは大切です。

ただ、私は施術をするとき、

「痛みが出ている場所」と「身体の状態に関係している可能性がある場所」は、必ずしも同じとは限らない

という視点も持つようにしています。

そこで今回、私が着目した場所の一つが腰でした。

電気の配線と同じ? 膝と腰をつなぐ「神経のルート」

ではなぜ「腰」だったのか?

ここから少しディープな話になります。

私たちが身体を動かしたり、皮膚の感覚を感じたりするときには、脳や脊髄から伸びる神経が関わっています。

その神経は、背骨から出たあと枝分かれしながら、それぞれの筋肉や皮膚などにつながっていきます。

ちょっとイメージしやすく、電気の配線で考えてみましょう。

壁の中にある電気の配線からコードが伸びて、その先にさまざまな電化製品がつながっているようなイメージです。

電化製品だけを見ても、その手前にある配線の状態によって影響を受けることがありますよね。

身体もまったく同じというわけではありませんが、症状を感じている場所だけでなく、そこにつながる神経の経路まで考えるという意味では、少しイメージしやすいかもしれません。

今回の患者さんでは、膝周辺に関係する神経の経路も頭に置きながら身体を確認しました。

膝周辺の感覚や運動には、腰から出る神経が関係しています。

さらに、この方には若干の側弯(右凸)があり、腰まわりには筋肉の緊張も見られました。

そこで私の頭の中では、

「膝だけの問題として考えなくてもいいんじゃないか?」

「腰まわりの筋緊張や、腰から脚へ向かう神経との関係も可能性の一つとして考えられないか?」

という仮説が浮かびました。

もちろん、この時点で、

「腰が原因です」

「神経が圧迫されています」

と決めつけることはできません。

あくまで身体の状態を見たうえで考えた、いくつかの可能性の一つです。

だからこそ、

「じゃあ、一度腰にアプローチして、身体がどう反応するか見てみよう」

と考えました。

膝には触れず、腰へ5分アプローチした結果

そこでです。

左側の腰まわりに対して、筋肉の緊張を和らげることを目的に、マッサージや鍼による施術を行いました。

時間にすると約5分。

この段階では、痛みを感じていた膝にはほとんど触れていません。

左腰へのアプローチの後、もう一度階段を上り下りしてもらいました。

施術前の痛みをご本人の感覚で「10」とすると、施術後は、

「2〜3くらい」

とのこと。

そこで患者さんから出てきたのが、

「膝ほとんど触ってないねんけど、腰が原因やった。先生どんな魔法を使ったん?」

という言葉でした。

もちろん魔法は使ってませんけどね。

痛みが減るのは一番嬉しい。けれど「その先」を考えたい理由

私が見ているのは、「変わったかどうか」だけではありません。

ここが、今回一番お伝えしたいところです。

施術後に痛みの感じ方が変わった。

もちろん、それ自体も大切な情報です。

でも私は、

「良かった、痛みが減った。終わり!」

とは考えません。

今回であれば、

「腰まわりへの施術後に、階段動作での膝の痛みの感じ方に変化があった」

という反応そのものを、身体を読み解くための新しい情報として考えます。

つまり、

身体を見る
↓
気になる部分を見つける
↓
いくつかの可能性を考える
↓
施術してみる
↓
もう一度動いてもらう
↓
その反応から、さらに身体を考える

ということを繰り返しています。

私にとって施術は、

「痛い場所を聞いて、そこを施術する」だけではなく、身体から返ってくる反応を確認しながら、一つずつ仮説を組み立てていく作業

でもあります。

「腰が原因だった」と安易に決めつけない理由

今回、腰まわりへの施術後に変化が見られたからといって、

「膝の痛みの原因は腰だった」

と断定できるわけではありません。

身体の状態はそんなに単純ではありません。

膝そのものの状態。

腰まわりの筋肉。

股関節や骨盤の動き。

身体全体のバランス。

階段を降りるときの身体の使い方。

そして、今回確認できた側弯なども含めて、これから継続して見ていく必要があります。

今回の反応も一つの手がかりとして、今後は腰だけではなく、身体全体のバランスや動きを確認しながら、その方に必要な施術を考えていく予定です。

仮説と検証を繰り返す、施術中の「頭の中」

これが、施術中の「ディープ鈴木」の頭の中です。笑

少しマニアックなお話になりましたが、私は普段こんなことを考えながら患者さんの身体を見ています。

「どこが痛いのか?」

だけではなく、

「なぜ、この動きで痛みが出るんだろう?」

「身体のどこが関係している可能性があるんだろう?」

「ここにアプローチしたら、動きはどう変わるんだろう?」

一つひとつ身体から得られる情報を確認しながら、その方に合った施術を組み立てていく。

これが、私が施術をするときに大切にしていることです。

今回はいつもより少し専門的な、

「ディープ鈴木の時間」

をお届けしました。笑

需要があるかは分かりませんが、また機会があれば書いてみたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

それではまた。

※身体の状態や痛みの感じ方、施術による変化には個人差があります。今回ご紹介した内容は一例であり、すべての方に同様の変化が生じるものではありません。

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